笛ニキ練習日誌

何故笛を吹くの?

心が落ち着くからさ。
気が狂ったように吹き続ければ、いやなことなんてすぐ忘れちまうぜ!

6本のリコーダー(ソプラニーノ、ソプラノジャーマン式、ソプラノバロック式、アルト、木製アルト、テナー)とオカリナを持って路上で吹いています。

「ユートピア」(湊かなえ)に寄せて

どうも(;`Д´)y━~ボクですw


今日は本題から。


本日は・・最近読んでいた小説
「ユートピア」(湊かなえ)の読書感想文です。


①物語の舞台


太平洋を望む美しい景観の港町「鼻崎町」(はなさきちょう)
戦後国民の食卓を支え続けてきた食品加工会社「八海水産(はっかいすいさん)」通称「ハッスイ」の国内最大工場を有している。
街の中心は「ユートピア商店街」
海辺には「岬ニュータウン」という新興住宅街があり、全国から陶芸家やガラス職人などがあつまる「芸術村」を形成している。
先祖代々からの住人と、新たな入居者が混在する。
かつて「岬ニュータウン」のあった場所で凄惨な殺人事件があった。犯人は未だ見つからず


②主な登場人物


●堂場菜々子・・ユートピア商店街に先祖代々続く仏具展を経営。義父の介護と、車いすの娘の介護に忙しい。
●堂場久美香・・菜々子の娘。小学生。幼稚園時代に交通事故に遭い、ずっと車いす生活を続けている。
●相場光稀(みつき)・・旦那がハッスイで働いている転勤族。プリザードフラワーを作るのが得意。
●相場彩也子・・光稀の娘。小学生。久美香と仲がいい。祭りの時の火事で久美香を庇い額に傷ができる。

●星川すみれ・・岬ニュータウンに越してきた陶芸家。
●宮原健吾・・すみれの元恋人であり現在のパートナー(結婚はしていない)。すみれをこの街に呼び寄せた。


③あらすじ


すみれ他、芸術村に住むもの達発案で、長く開催されていなかった鼻崎町の祭りを開催。
その際に火災が起き、車いすの久美香を助けるために光稀の娘、彩也子が額に傷を負う。
彩也子が久美香を思って書いた作文が表彰され、ちょっとした話題になる。
すみれは、久美香を広告塔にして車椅子利用者を支援するブランド「クララの翼」を立ち上げた。


出だしは上々だったが、あることがネットで流れ徐々に歯車が狂い始める・・



④感想


ハンディキャップを抱える人たちを支援する「24時間テレビ」
毎年開催されていますが、それをよく思わない人間たちもいます。
単なる健常者たちの自己満足ではないか
偽善ではないか。


でも毎年、その番組が放送されるたびに募金は集まっています。


ボランティア活動の裏には、色んなことが起きていて。本来の弱者への救済の部分が薄くなってきているのではないか・・


よかれと思って行動したことが、裏目にでることがある。
裏目に出たときに、こんなはずじゃなかったという後悔が起きる。


地元に縛り付けられている菜々子。

クララの翼の発起人でありながら、疎外感を感じモヤモヤする光稀。
クララの翼を使って自身の陶芸を成功させたいすみれ。


3人の思いは車椅子利用者のためという、純粋な思いとはかけ離れ交錯します。


またネットで叩かれはじめてからは、一番関係のなかった久美香と彩也子に被害が及ぶ形に。


とてももどかしい思いがする作品でした。


その中で彩也子と久美香の友情だけが本物のように見えてきました。
ただ、作中では彩也子の一方的な思いのみ書かれており、
久美香の心中を察することができませんでした。


こんな腐った世の中、腐った大人たちの中で彼女たちの友情だけはせめて本物であってほしいと願います。


では願わくばまた明日☆彡